フコイダン、という文字をみて、遠い記憶の中に、身近にあった薬を思い出しました。
実家にあった、薬やサプリメントを雑多に入れている棚に入っていた錠剤が、フコダインだかフコイダンだかって名前だったな、と思いだしたのです。
しかし何の薬だったか思い当たるものがなかったため、インターネットで調べてみると、フコイダンは抗ガン作用があったり、抗アレルギー作用や抗ウイルス作用、抗コレステロール作用などがあると出てきました。
私の両親や兄弟にはガンや糖尿病はありませんでしたし、なんでこんな薬(サプリメントのようにビンに入った錠剤だったと思います)が、入っていたのだろうと疑問が浮かびました。
薬棚には雑多にいろいろな薬やサプリメントが入っていました。
製薬会社で働く父は気になったサプリメントをすぐに買ってくる性格でした。
また、母は薬の外装(箱や袋など)が邪魔だといって、とにかく捨ててしまうような性格だったため、両親のおかげで我が家の薬棚は、バラバラと様々な薬とサプリメントが入っているような棚になってしまいました。
そして、私たち兄弟はその棚の中から、必要な薬を探し当てて飲むというシステムでした。
どの薬を飲めばいいのかわからなければ、母に聞くという、今考えると少し危ないような気もする薬の飲み方をしていました。
頭痛にはロキソニン、口内炎にはビタミン剤、と棚から選んでは飲んでましたが、私はフコイダンは飲んでいませんでした。
では誰が飲んでいたのかと思って、いろいろとインターネットで見ていたところ、ピロリ菌の定着阻害作用、という項目を見つけました。
そこで思い出したが、母の胃潰瘍でした。
あまりに何度も胃潰瘍になるので、薬棚にはいつも胃痛薬のガスターなどが入っていました。
ストレスを感じるとすぐに胃潰瘍になり、夜には苦しんでたものです。
何回目かの胃潰瘍で、母の胃潰瘍はピロリ菌が原因と分かりました。
日本人の約半数はピロリ菌を保菌しており、50代以降の人たちでは、保菌者は70パーセントを超えるかもしれないと知りました。
昨年還暦を迎えた母がピロリ菌保持者だったことは、特に珍しいことではなかったようです。
想像するに、母がピロリ菌保持者で毎回胃潰瘍で困っていましたから、父がそれを知ってフコイダンを買って薬棚に入れていたのではないでしょうか。
フコイダンがピロリ菌の胃の壁に付着するのを防止して、胃潰瘍や胃がんを予防するというならば、父が母に飲ませたいと考えたのもよくわかります。
また、親戚のことを思い出すと、父方は糖尿病で死ぬ割合が多く、母方はガンで死ぬ傾向が高かったので、ピロリ菌関係なく二人で飲もうと考えたのかもしれません。
今でも実家の薬棚に入っているのかを、今度見に行こうかと思っています。